【「つながる菜園」の食・人・時間のつながり:第2回】「食べるテーブルの楽しさ」を伝える「青空パーティー」とは?

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子供たちと青空の下での外ごはんを楽しみたくて始めた青空パーティーの活動

こんにちは。つながる菜園プロジェクトの菜園コミュニケーター・佐々木桐子です。

前回はつながる菜園の原点である食育菜園との出会いをお話しさせていただきました。

ライフワークである「食べること」を日々変わらずに楽しんでいましたが、そんな中、私自身が幼い頃から家族で囲んできた食事時間のテーブル、そこには祖父母がいて両親がいて弟がいて(うさぎと小鳥と金魚もいたけれど)、みんながその日のことなど喋りながら母の作る料理を食べていたほんわりとした温かなテーブルの記憶をよく思い出していました。

「食」が子供たちの楽しい記憶として残るようにと始めた、外での小さな「食」の遊び

子供たちにも家族や友達と一緒のテーブルやその時間がずっと温かな記憶として同じように残ると良いなと思うのと同時に、目まぐるしくやってきては去っていく子供たちの年中イベントや季節行事に食事テーブルを絡めて楽しくしたいな、と漠然と思いだしていたのが、子供たちが保育園(2歳児、4歳児)の頃です。そんな時、新たな出会いがありました。

その頃、アロマや親子工作などのいろいろなワークショップに参加していたつながりから、キッズパーティープランナーの養成スクールを受講することになったのです。

さらに1年後には、キッズパーティープランナーのディプロマも取得させていただき、そこから数年学んだことを取り入れつつ自分なりの活動を「小さく」スタートさせました。

その頃は月に何度も出かけるほどキャンプにハマっており(今は子供たちを誘ってみてもそれぞれが忙しいようでなかなか実現せず…行きたいなぁ(笑))、外で作って食べるご飯がとにかく楽しくて美味しくて、外ごはんとパーティーを組み合わせてみよう、とすぐに活動コンセプトも決まり「青空パーティー」と名づけました。

ちょうど子供たちも一緒に楽しめるくらいの年齢になっていたこともあり、何かにつけてテーマを決めては家で、公園で、と小さな「食」の遊びを始めました。

ひな祭り時期にひなあられや手作りしたケーキを可愛くしたテーブルで食べよう、のおやつタイム(ひなあられの袋が裏面なのを今頃気づきました…汗)

小さなこだわりは、必ず手作りのおやつやご飯、ドリンクを最低一つは入れることと、できるだけ生花やフルーツ、野菜と使い捨てではないものを使ったスタイリングにすること。これは結構重要なポイントだった、と今振り返っても思います。

子供たちとベランダでやった外おやつ。ただ単にこどもの日にベランダでラムネを飲む、というだけのおやつタイム。こちらは子供たちが折り紙で折った兜とマスキングテープで作った鯉のぼりが主役でした。折り紙の色目や下に敷いたテーブルクロス代わりの手拭いのカラートーンを合わせるだけで涼しげになります。

お友達親子が集まって大人も楽しめるワークショップに。広がる「青空パーティー」の試み

そんなことをしているうちに「面白そう!」とお友達親子が参加してくれるようになり、そのまたお友達親子へ、と少しずつ広がって地元の代々木公園、寒い季節は区の施設を借りて屋内スペースで、といろいろやってみんなで楽しみました。

冒頭の写真の葉っぱのお面作りは代々木公園でやった青空パーティー初のワークショップの時のものです。

大きな葉っぱをみんなで探して台紙にペタペタと貼って工作。その後、シートの上で地元のカタネベーカリーさんに作ってもらったランチボックスを広げてみんなでピクニックする、というだけのシンプルなワークショップに、友人がつながりのあるヨガを教えてくれる方を呼んでくれました。開放的な空の下、子供たちが工作している間にママたちは青空ヨガをするという豊かな時間をみんなで過ごしました。

ちょうどハロウィンの時期で仮装代わりの葉っぱのお面の子供たちが可愛かったです。

ハロウィンの時期に開催した記念すべき第一回目の青空パーティー(代々木公園にて)

子供たちがそれぞれ作った可愛い葉っぱのお面

”マイリトルポニー“テーマのおやつパーティーがしたいと娘とそのお友達仲間からのリクエストで頑張ったおやつの会。

たくさん作ったフォトプロップスで可愛い写真を撮るおやつの会(笑) この時は友人がお母さんたち向けにブレスレット作りのワークショップをやってくれました。この写真は私が大好きな1枚です。

区の施設を借りて大勢参加してくれて開催したハロウィンテーブル。 この時はハーブを使った天然の石鹸作りワークショップを友人が開催してくれました。

こちらも区の施設で開催したクリスマスパーティー。 テーブルクロスに見立てた長いロール紙に子供たちが好き好きにイラストを描いてデコレーション。テーブル上も全て考えてデザインしてくれてお母さんたちを招待する、という設定でした。



子供の誕生日は希望を聞いてできるだけ取り入れていました。 真田幸村が大好きな息子の9歳の誕生日はひたすら六文銭を。

といった感じで意識的に青空パーティーを続けていた数年の間には、勤めている大学研究室の先生の還暦お祝いの研究会後の懇親パーティーのテーブルをビストロエガリテさんのお料理と共に一緒にスタイリングさせていただいたことも。さらには、学生の頃からスタッフをしているNGOアフリカ理解プロジェクトの「アフリカの食を学ぶ」ワークショップのテーブルスタイリングをさせてもらうなど、大人向けのテーブルを楽しくする挑戦もたくさんさせていただきました。

大学での研究会後の懇親会テーブル

プレートがわりに使用した額縁の上の料理を食べると主役の先生の論文のコラージュが出てくる、というサプライズな仕掛けは大好評でした。 コラージュは研究室の学生がみんなで一生懸命作成してくれました。

NGOアフリカ理解プロジェクト主催のアフリカの食についてのワークショップでのテーブルスタイリング(場所、アフリカコース料理提供はビストロエガリテさん)。

「つながる菜園」も根っこのコンセプトは「みんなで一緒に食べる」こと!

食べることは、何を食べるかよりも、むしろどんな空間で誰と食べるか、それがとても大切だと思っています。温かで幸せな時間として食事のテーブルがみんなの、特に小さな子供たちの記憶に残ると良いな。この先何かあっても美味しくて楽しいテーブルさえあれば大丈夫!そんな風に思えたら最高!!

数年間力を入れた青空パーティーの活動を通じてそう感じることができました。

つながる菜園の話に戻しますが、一番根っこにあるコンセプトは、「みんなで育てた野菜を青空の下、大きなテーブルでみんなで一緒に食べる」です。

シンプルすぎるくらいシンプルな目標です。

背景の景色はさておき、これは私の理想のテーブルの完成形です。 人生最後のテーブルはこんなのが良いなぁ(笑)

一番理想に近いテーブル。シンプルだけど青空の下!

記念日や季節行事を食で楽しめたら良いな、と思って始めた青空テーブルの小さな活動がシンプルにさらにシンプルに削ぎ落とされて今のつながる菜園につながっていきました。

この連載のために過去のパーティーテーブルの写真をたくさん探していたら、またこんなテーブルも作ってみたいなという欲求も湧いてきました。

今だったらどんなテーブルを作ろうとするのか、自分自身の変化も楽しみだったりします。

次回は仲間づくりの過程でつながっていった方々、国内・国外の土地、美しい食の数々、について触れてみたいと思います。

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佐々木さんがスタイリングされたテーブルがどれも楽しさと温かさにあふれていて、佐々木さんのお人柄がうかがえると感じました!

青空の下、みんなが「食」でつながる経験、ぜひササハタハツで実現していきたいですね。

次回もどうぞお楽しみに!

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