ササハタハツ在住・在勤者が考える!水道道路の活用方法 ~「オンライン水道道路プレ勉強会」レポート~

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ササハタハツをつなぐ主要道路のひとつ、水道道路の活用をみんなで考えてみませんか?

6月19日(土)、第1回の「オンライン水道道路プレ勉強会」をササハタハツ新聞主催で開催いたしました。ササハタハツを愛する方々が集い、水道道路の課題をみんなで考えながら、将来に向けてどのように活用したいのかをテーマに話し合いをしました。

「水道道路沿いのまちづくり」実現化に向けての第一歩

この日開催された勉強会に参加したのは、ササハタハツ在住・在勤の方10名ほど。地域活動をしている方、在勤の方、子どもをもつ保護者、渋谷区議、東京都議、渋谷区の職員の方、主催であるササハタハツ新聞のメンバーなど、実に多彩な顔ぶれとなりました。

Zoomによるオンラインで開催した「オンライン水道道路プレ勉強会」。

そもそも、今回の水道道路のプレ勉強会の発端になったのは、龍円あいり都議が5月に開催したオンライン政策会議「東京・渋谷ミライ会議」での、「都営住宅を渋谷区に移管する検討なども含めたまちづくりについて、東京都と渋谷区での勉強会の立ち上げも一案だと思います」という小池都知事の発言です。(「東京・渋谷ミライ会議」については、以前の記事「水道道路が区道になる日も近い!?小池都知事から勉強会立ち上げの提案」に詳しい記事がありますので、ぜひそちらも参考にしてください!)

この「東京・渋谷ミライ会議」において、水道道路の活用についての様々なアイデアが出ました。

水道道路活用のアンケートを実施

今回の勉強会に先駆けて、ササハタハツ新聞では「ササハタハツ水道道路構想に関するアンケート」を行い、水道道路活用の課題やアイデアについてのご意見をいただきました。アンケートにお答えいただいたのは、渋谷区在住・在勤を中心に20代から60代までと様々な年代の方でした。

5月29日の「東京・渋谷ミライ会議」で出たアイデアのうち、特に魅力に感じたアイデアとして「 様々な世代・世帯がつながる場をつくる」「コワーキングスペースやバリアフリー⾃転⾞ステーションなど、時代に合わせた設備をつくる」などが挙がりました。世代の交流や、ふだん繋がりがない人同士のきっかけ作りができる設備や場がほしいという声が多いようです。
一方で、「起業家やアーティストが活躍する場をつくる」ことに魅力を感じている方も少なくなく、これまでササハタハツにはなかった新しい風が吹き込まれる期待も感じられました。

さらに、新しいアイデアとして、以下のようなご提案もいただきました!

子ども食堂や防災公園、ベンチなど、水道道路を普段から利用する方々ならではの、より具体的な案が寄せられました。

歩いてみてわかった! 水道道路沿い公園の課題とは?

続いて、龍円あいり都議とササハタハツ新聞のスタッフが、6月の週末の午後、水道道路を実際に歩き、道路に面した公園の利用状況などを調査した報告を行いました。
ササハタハツ地域にある水道道路沿いの公園は全部で9つ。大きさも遊具の数もまちまちで、中にはほとんど利用されていない公園があるのが現状です。実際、調査は土日の午後に行ったにも関わらず、公園で遊ぶ子どもたちの姿もほとんど見られませんでした。

水道道路沿いの公園についてのアンケート結果。地元民でもほとんど利用されない公園があることも明らかになりました。

アンケートでは、「子ども用の遊具に偏っているので、大人でも遊べるものがほしい」「写真を撮りたくなるようなアートのようなものがあればよいのでは」「おむつ替えのスペースがない」といった希望だけでなく、「暗くて使う気がしない」といった課題も見つかりました。
また、龍円都議からは「車の入らない道路なのに、車止めが各公園の入り口にあって、車いすが通りにくい。これはバリアフリーの逆になっている。健康遊具などを置き、バリアフリーにしてほしい」といった意見も出ました。

ひとつひとつの公園の現状について、写真と利用状況を報告。

とはいえ、すべての公園が活用されていないわけではなく、中にはゲートをつけて工夫したり、地域の方々が自主管理している素敵な花壇のある公園もあります。

「管理花壇のある十三号通り公園は、とても気持ちのいい公園でした。想いがこもっている緑は、見ている人も気持ちがよくなりますね」と、龍円都議。

その後、龍円都議とともに行ったパネルトークでは、ササハタハツで活動をする方々からは
「水道道路できるだけオープンにするためにも、若い世代がどんどん意見を言ってほしい」「公園に花壇をつくり、近くの保育園の子が世話をしにきたり、子ども食堂をはじめ、高齢者から子どもまでを集めたイベントを開催したりするような場所を目指している」
「水道道路はバス通りだが、歩道が狭く待ちづらいので、バスを待つ間公園を活用したい」
など、公園の活用に期待する活発な意見が交わされました。

公園の活用について、アンケートでも多くのアイデアをいただきました。皆さんが行きたくなる公園はありますか?

水道道路で「水」をテーマにしたアートを!?

続いて、今回のゲスト、ササハタハツ在住の建築家である須田直樹さんに、お話をうかがいました。
水道道路にほど近い場所に事務所をかまえる須田さんは、「ササハタハツに住んでいる1人として、地域とつながる場所をつくりたい」と、まち遺産探検隊などにも事務所を開放しています。

ササハタハツ在勤の須田さん。

「“サードプレイス”と呼ばれるような自宅でも職場でもない第三の場所、居心地のいい場所が、水道道路沿いにあるとよいですね。アイデアとしても出ていた『都営住宅1階の吹き放し空間(ピロティ)を活用したコワーキングスペース』などは、コロナ禍で生活様式が変わった現在、利便性や居心地の良さなどから考えてメリットが大きいと思います。

公園は子どもの遊び場だけでなく、街に色どりをあたえる、季節感を感じる、社交場としての機能など、使い勝手をもたせてあげるとよいでしょう。
さらに水道道路しかないテーマを持たせるとしたら、例えば名前のとおり「水」をテーマにしたアートやデザインを行って全ての公園を一貫させると、水について学習したり、歩きたくなったりする公園になります。
海外の居心地のいい公園の多くに水が流れているように、噴水やミストなどの流れはのある空間は、心が癒されて雰囲気もよくなります。

そのためには、こういう場所を実際につくるにはどうしたらいいのかという“仕組みづくり”が大事だと思っています。産官民連携で公園を運営する“パークマネージメント方式をとると、ベンチや遊具など、公園に新しい施設を置いたりすることがよりやりやすくなります。

また龍円都議からも出たバリアフリーについても、どういう順番で行っていくかが重要で、まずはピロティをうまく活用して、次に歩行者と自転車との関係性をつくって、9つの公園をつなげていって、そして道路を開放していく……と徐々に広げていき、最終的には次世代のモビリティ活用にまでつなげる。そういったロードマップを、地域の皆さんと描いていきたいですね」(須田さん)

ササハタハツの先行プロジェクトを水道道路のまちづくりに生かしたい

そして、もう1人のゲストとして、「ササハタハツまち遺産探検隊」の発起人である若松保治さんが登場。コンテンツを通じて街と人をつなげる活動をしている若松さんから、水道道路を活用した対話やアイデアの場づくりについて、お話いただきました。

ササハタハツエリアで、大人と子どもで街の魅力を発見する「まち遺産探検隊」を行っています。

「2019年から『まち遺産探検隊』を始めて街を歩き続けましたが、この3年間で街が大きく変わってきました」と話す若松さん。
「歴史や教科書に残らない街の人や思いは、人とのつながりがないと風化していってしまう。そこで、将来の担い手である子どもたちに、街の魅力を知ってもらうきっかけづくりとして『まち遺産探検隊』を行っています」

若松さんは「人が行き来する所には文化がある」として、「水道道路にも沢山色々なものがある。水道道路を通じて町をつなげながら、子どもたちと歩くことを次の課題にしたい」と話してくれました。

ササハタハツには先行して行われている素晴らしいプロジェクトも多数あり、こうした知見を水道道路プロジェクトにも生かしていくことは大切で、勉強会のテーマのひとつになりそうです。

皆様のご意見・ご参加をお待ちしています!

「オンライン水道道路プレ勉強会」は初めての勉強会にも関わらず、参加者がざっくばらんに話し合う和やかな会になりました。そして、水道道路についての新しい気付きやアイデアも生まれました。

ササハタハツ新聞では、今後も「水道道路プレ勉強会」を通じて、水道道路をはじめとしたササハタハツの地域活性化を考えていきたいと思います。ぜひ、皆様からのご意見、そして勉強会へのご参加をお待ちしています。
自分たちの街を、自分たちでもっともっと素敵な街に変えていきましょう。

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