ササハタハツでまちづくりに深く関わる方々への
インタビューシリーズ、
今回は初台駅、幡ヶ谷、笹塚駅を抱え、
ササハタハツエリアともつながりが深い
京王電鉄株式会社の吉田智之さんと宇城知佳さんに
お話を聞いてきました。
セッションが立ち上がった当初から
まちのことに関わっている吉田さんと、
最近関わり始めた宇城さん。
深度が違う二人にとって「ササハタハツ」とは、
どんなまちなのでしょうか?
写真右:京王電鉄株式会社 戦略推進本部 事業創造部 戦略担当課⾧ 吉田智之さん
写真左:京王電鉄株式会社 戦略推進本部 事業創造部 戦略担当 宇城(うしろ)知佳さん
お気に入りのお店、教えてください!
ササハタハツ新聞
今日はお二人がそれぞれ感じている「ササハタハツ」についてお話を聞きたいと思います。
このエリア内で、お気に入りのお店はありますか?
吉田さん
たくさんあって迷いますね(笑)
ササハタハツ新聞
おぉ!そんなにあるんですか!?
吉田さん
まずは、幡ヶ谷六号通り商店街にあるラーメン屋の「ねじ式」です。
ササハタハツ新聞
「ねじ式」!あの外観が真っ黒なお店ですよね。実は私、幡ヶ谷に住んで10年以上になるんですが、まだ入ったことないんです。どんなお店ですか?
吉田さん
すごく趣のある店内で、店主の方も気さくでラーメンもとても美味しいですよ。
それから、笹塚の十号通り商店街にある「広島お好み鉄板ベイビー」のお好み焼きも好きです。
ササハタハツ新聞
どちらのお店も口コミサイトで評価が高いですよね~。
吉田さん
他にもありますが、ありすぎるのでこの辺でやめておきます(笑)
ササハタハツ新聞
ありがとうございます(笑)
宇城さんの好きなお店も教えてもらえますか?
宇城さん
私はランチに行くことが多いので、「キャンティ本店」や水道道路沿いにある「BAKE OFF」などが好きです。
ササハタハツ新聞
「BAKE OFF」は水道道路沿いにあるパイ料理のお店ですね
宇城さん
はい!ビーフパイが美味しかったです。あとは今取材を受けている「笹塚ボウル」もよく来ます。
この地域と会社との「橋渡し」をしていきたい
ササハタハツ新聞
では本題の「ササハタハツ」のまちづくりについて聞かせてください!
吉田さんは「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション(以下、セッション)」に2年前のキックオフから参加されているんですよね。参加するきっかけは何でしたか?
吉田さん
私たち京王電鉄は2016年9月に渋谷区とS-SAP協定(※1)を締結しました。その関係性の中でセッションの話を聞き、参加してみようと思ったことがきっかけです。
ササハタハツ新聞
セッションへの参加をきっかけに始めた新たな活動も?
吉田さん
今年で3年目になるセッションには継続的に参加して、住民や行政、企業の方々とまちづくりの可能性を探り続けてきました。そんな中、今年2月に開催された「未来の渋谷の運動会3ササハタハツ運動会」(※2)には京王電鉄として協力をしました。
また、このエリアで行われている「スポーツゴミ拾い in笹幡」(※3)や「企業対抗ボウリング大会in渋谷区」(※4)にも協力をしました。
ササハタハツ新聞
地域の活性化につながるイベントに多く関わってこられたんですね。
それぞれどのような経緯で協力をすることになったのでしょうか。
吉田さん
「スポーツゴミ拾い in笹幡」のイベント自体は前から開催されていましたが、私たちは2年ほど前から参加させてもらっています。セッションを通して主催者の方たちと繋がり、このイベントを通して京王電鉄が地域を良くするお手伝いができるのではないかと感じて、社内の人たちを巻き込んでいきました。
ササハタハツ新聞
吉田さんの呼びかけで社員の方々が動き始めたんですね。
宇城さんも参加されたそうですが。
宇城さん
はい。昨年の10月と今年の6月の2回参加しました。初参加の時は、初対面の方ばかりでかなり緊張していましたが、楽しかったです!
吉田さん
宇城さんが初参加されたのは入社2週間目というタイミングでしたよね(笑)。
宇城さん
そうなんです。でも、最初はドキドキしていましたが、皆さんすごく温かく迎えてくださって、楽しく参加させてもらいました。
ササハタハツ新聞
入社2週間目での初参加は大変だったと思いますが、見方を変えれば最高のスタートを切れたとも言えますね
宇城さん
そうですね。私がすんなり輪に入れたのは運営の皆さん、そして参加者の皆さんのおかげですが、一方でこれまで活動してきた弊社の社員が、地域の方々とのご縁をしっかりつないでくれたからというのも強く感じています。なので今度は私がこのエリアと会社との橋渡しが出来たらいいなと思っています。
ササハタハツ新聞
ステキですね! 京王電鉄さんのように企業の方々がかかわることで、イベントもさらに発展しそうです。
宇城さん
これまで参加者だった人たちが運営に関わり始めるという動きも出てきているようで、ますます活性化しそうだなと期待しています。
吉田さん
そうなんです。「もっと深く地域に関っていこう」と考える参加者の方々が増え、いい流れができ始めていると思います。今後、より多くの人が参加して、さまざまな形で「このイベントを一緒に盛り上げよう!」という人が増えてくるとイベント自体に多様性が出ると感じています。
ササハタハツ新聞
着実な変化が見えていますね!
次に「未来の渋谷の運動会3ササハタハツ運動会」についてお伺いします。このイベントは昨年度セッションのプロジェクトのひとつでもありましたね。
吉田さん
もともとは「渋谷をつなげる30人」(※5)がきっかけで生まれたイベントでしたが、「笹塚でも開催して地域の人をつなげよう」と笹塚ボウルの財津典央さんが中心となって開催されました。
ササハタハツ新聞
8/30に行われたセッションで、吉田さんが「『未来の渋谷の運動会』を通じて、さまざまな企業や地域の方と1:1ではない1:nの関係が広がったのは今まで経験したことがありませんでした」とコメントされていましたね。1:nの関係が広がったというのは具体的にどのような事でしょうか?
吉田さん
あの運動会には「まちを良くしよう」と、すでに活動を始めている方が多く参加されていました。例えば幡ヶ谷でミニ四駆を使ったコミュニティづくりをされている方や野球YouTuberの方、それから他企業の方々などです。そういった方々と一気につながれたというのは本当に貴重な経験でした。このつながりをよりよい形にして地域に還元していけたらと思っています。
ササハタハツ新聞
これからどんなことが起きるのか楽しみになりますね!
逆に課題に感じたことはありましたか?
吉田さん
継続する仕組みを作ることが課題だと感じています。みんなが楽しく、負担なく続けるためには“みんなで一緒に作っていく”という意識が大切だと感じています。
宇城さん
私は運営側としても参加してみて、告知に課題を感じました。参加しやすさや楽しさは、私自身も参加してみて初めて分かった部分もあるので、そこがもっと伝えられたらと思いました。
ササハタハツ新聞
どちらも地域イベントの運営に大切な要素ですね。そういった課題を話し合うこともまちづくりの一環なのかもしれません。
「京王さん、変わったね」と声をかけてもらえるように
ササハタハツ新聞
「スポーツゴミ拾い in笹幡」や「未来の渋谷の運動会3ササハタハツ運動会」に参加されてみて、地域とのつながりに変化はありましたか?
吉田さん
「京王さん、変わったね」という好意的な声をかけていただくことが多くなりました。
ササハタハツ新聞
お~!それって「関わってくれてありがとう!これからもよろしくね!」という感謝と期待が込められた言葉ですよね?
吉田さん
この言葉はすごく印象に残っています。我々京王電鉄のほかにも、同じ京王グループには不動産や観光会社などがあり、いろいろな社員がこのエリアを良くしようと関わっているので、そういうことを全部含めて良い変化として受け止めてもらったと感じています。
宇城さん
私も昨年入社した際、想像していた以上にコミュニティや自治体、人々の生活に深く関わっているのを感じました。
吉田さん
きっとこれまでも活発にかかわってきた社員はたくさんいると思います。ただそれが見えにくかった。今は取り組みが可視化されやすくなったのも大きいと思います。
ササハタハツ新聞
発信する環境が整い始めて、より注目度も上がったということですね。
そんな中で、今後ササハタハツエリアとどのようにかかわっていきたいと考えていますか?
人とのつながりを大切にする「ソフト面」からのまちづくりを
吉田さん
京王線の歴史を紐解いてみると、自分たちで新しく街を作って線路を敷いたのではなく、地域の方が作ったすでにある街に我々の線路を通させてもらって出発した鉄道なんです。つまり、地域の方たちとの関係を大切にするというのは、京王電鉄の創業時から変わらない思いです。一方で、日本初の超高層ホテル・京王プラザホテルを建設、大手私鉄で最初に女性専用車両を導入するなど、我々京王グループは「新しいことをやっていく」というスピリットがあります。
私たちはこのエリアに土地やハードをたくさん持っているわけではありませんが、だからこそ弊社が創業当時から持っていた思いやスピリットを持ちながら、地域の方との関係、人と人のつながりや思いを大切にするような、ソフト面からアプローチするまちづくりが出来たらいいと考えています。
ササハタハツ新聞
ソフト面からのアプローチは建物などハードを作って完了!ではないだけに、結果が見えてくるまでには少し時間がかかりそうですね。
吉田さん
そうです。すぐに成果が出るものではないです。ですがこのエリアには、既にまちのためにアクションを起こされている方が非常に多く、「まちをよくしたい」というエネルギーを強く感じます。そういった方々と一緒にまちをつくっていきたいのです。ササハタハツのセッションはその入口になっていると思います。
ササハタハツ新聞
素敵ですね~!!! なんだかじーんとしちゃいました。
そんな吉田さんが、まちラボに期待することは何でしょうか?
吉田さん
みんなでアイデアや思いをもちよって、一緒に作り上げる仕組みになるといいと思っています。住民・企業・行政など様々なバックボーンを持つ人たちが意見を持ち寄ることで、これまでに見たことないような素晴らしいサービスが生まれるかもしれない。そんな期待をしています。
ササハタハツ新聞
まちラボで出たアイデアとは、どのようにかかわっていきたいと考えていますか?
吉田さん
京王電鉄、京王グループの様々なつながりを活かしていきたいです。例えば京王線沿線にある様々な地域とのつながり、グループ企業である不動産やバス、商業施設、ホテルなどとのつながり。必要に応じてそれらの情報をご提供したり、接点を作ったりしてアイデア実現のお手伝いが出来ればうれしいです。
ササハタハツ新聞
広いネットワークを活かしていただけるのは、とても心強いです!
吉田さん
鉄道は安心安全に乗客を輸送することが第一の仕事ではありますが、利用してくださるお客様の生活をよりよいものにしていく「総合生活サービス企業」なんです。いろいろな方の意見を聞いて、時には力もお借りして、今までないようなサービスを生み出せたら、地域をよくしていくきっかけにもなるし、我々も成長していける。そのモデルケースをまちラボを通じて作っていけたらと思います。
ササハタハツ新聞
まちラボを通じて、地域がよくなり、参加する企業も成長していけたら、みんながハッピーになりますね!
宇城さんは今後の展望についてどうお考えですか?
宇城さん
最近になって参加させていただいた私からすると、ササハタハツってすでにまちとして出来上がっている、魅力のたくさんあるまちだと感じるんです。
ササハタハツ新聞
おぉ!それは新しい視点ですね。宇城さんから見てこのエリアの魅力とは?
宇城さん
そうですね。例えばエリア内にこれだけ商店街があって、どれもが活気にあふれているのはすごいことだと思います。また、イベントなどもたくさん行われていて、すでに地域の人々が作り上げてきたものがたくさんあるので、それらを広く伝える事も大切だと感じています。
ササハタハツ新聞
確かに伝え方は改善の余地がありそうですね。住民でも知らない取り組みやイベントも多いので、そういった事もまちラボで担えたら、より住みやすいまちになりそうです。
時間もかかり、成果も見えづらいソフト中心のまちづくりに
企業としてアプローチしつづける大変さは
想像に難くありません。
それでも
「一緒にまちをつくっていきたい」
「地域の人たちとのつながりを大切にしたい」と
関わり続けてくれる会社が、人たちがいる。
お二人のお話を聞きながら
ササハタハツってなんて恵まれた環境だろうと
胸がいっぱいになりました。
と同時に、“伝えること”の重要性も強く感じました。
ササハタハツ新聞
最後に、セッションに興味を持ちながら、参加されたことがない方へメッセージをお願いします。
吉田さん
セッションには「まちを良くしたい」「アイデア実現のお手伝いがしたい」という人が集まっています。参加して、自分の思いを発信することで予想以上の相乗効果が生まれることもあります。日頃まちに対して思うことがある人は、参加することで世界が広がるかもしれませんよ!
みんなで一緒につくりあげるまちづくり
想像するとワクワクしてきます!!
※1「S-SAP協定」:地域社会的課題を協働して解決していく「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」のこと
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/shisaku/ssap/keio.html
※2「未来の渋谷の運動会3ササハタハツ運動会」:「自分たちで作った種目」を楽しみながら競い合う新しいかたちの運動会
https://www.facebook.com/sasahatahatsu/posts/2272451442966512
※3「スポーツゴミ拾い in笹幡」:スポーツ感覚でゴミ拾いをし、楽しみながら街の美化活動を行うイベント
https://www.facebook.com/pages/category/Company/TEAM-SASAZUKA-142041519263038/
※4「企業対抗ボーリング大会in渋谷区」:ボウリングを通じて企業対抗でゆるく交流を図るイベント
https://www.facebook.com/events/笹塚ボウル/第1回企業対抗ボウリング大会-in-渋谷区/193861334725031/
※5 「渋谷をつなげる30人」プロジェクト:渋谷区の総合政策「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」で掲げる20年後の渋谷区未来像を実現するためのまちづくりプロジェクト。http://www.shibu30.com/