こんにちは。
私たち『ササハタハツまち遺産探検隊(以下まち遺産探検隊)』は、ササハタハツエリアのまち歩きをしながら、民家の前にずっとある謎の置物、昔ながらの佇まいを感じさせるお店など「その街らしさ」がつたわる「まち遺産」を探すプロジェクトです。現在、ササハタハツまちラボの事業「ササハピ」の認定プロジェクトとして活動を続けています。
『まち遺産探検隊』のまち歩きの主役は小学生。毎日通学で街を歩く小学生の目線の面白さが欠かせないのもありますが、将来のまちの担い手である子どもたちに、まちへの愛着を深めてほしいという思いも!
また、発見した「まち遺産」については「これはもともと誰が置いたのか」「どういう思い・こだわりがあったのか」がわかると、謎が解けたときのようにアドレナリンが出ます。この「ナゾトキ」の案内人として地域に長く住む方の存在が重要に。
コロナ禍においては、実際に集まってまち歩きをするのが難しいので、Zoomを使ってオンラインで集まって、GoogleストリートビューやGoogleEarthを使ってバーチャルまち歩きを行っています。
ご縁があり、2020年後半より同じ渋谷区にある聖心女子大学の「地域づくり演習」という授業と連携をさせていただいています。渋谷区と言っても聖心女子大学がある広尾とササハタハツは言わば南北の端と端! はじめてササハタハツを訪れたという学生さんたちの感想やアイデアはさすがの若い感性に満ちあふれていて、目からウロコの連続でした。
半年にわたる授業の集大成として、2月7日には学生チームプロデュースによる『ササハタハツまち遺産探検隊@本町~公園から見る本町の魅力と遊び~』を開催。私たちがメインターゲットとする小学生のお子さんが、より「まち遺産探検隊」に参加したくなるようなイベントにするには?と考えた結果、学生チームが選んだテーマは「公園」でした!
聖心女子大学学生チームが振り返る「イベントができるまで」
ここからは「まち遺産探検隊」に参加してくれた聖心女子大学の学生さんたちに「イベントができるまで」を聞いていきましょう!
――オンラインイベントを行うための第一歩として、ロケハン=街の下見を行いました。そのとき発見したものは?
滝森希さん
何気ない風景でも、視点を変えるだけでたくさんの発見ができました。ロケハンをするうえで意識したことは、「なぜこれがつくられたのか」という経緯を想像することです。すべてのものには誰かの思いや意図が込められていて、一つ一つに歴史があります。一見何の変哲もない看板も、誰が誰に向けてどんなメッセージを込めて作ったのか考えることで、それに関わる人々の暮らしを想像することができます。まち遺産チームで「こうだったのかもね」と当時の様子を推測しながら歩くことで、さまざまな解釈が生まれて新鮮でした。
――どのようにしてテーマを「公園」に決めたのでしょうか?
文田秋子さん
テーマを「公園」に絞った理由として一番大きなものは、地域に住む子どもに直接関わりのある場所をクローズアップしてみたいということでした。どうしたら地域の子ども達が自分のまちを誇らしく思うことができるかを考えたときに、子ども達は自分に関係のある場所ならもっと興味を示してくれるのではないかと思い、そこから、どこをテーマにするか、毎週の授業と週末のミーティングで相談をしていました。このミーティングの際に、今までは「在ることが当たり前」だった「公園」などの場所も、古くから存在し、まちが誇ることのできる「まち遺産」なのではないかという視点を見つけることができ、「公園」をテーマに設定しました。
――子どもたちがどんなふうに公園で遊んでいるのか知るために、実際に公園でのインタビューも行いました。
犬飼紗和さん
今回インタビューを行うまで、どのような質問の仕方(言い回し方など)をすれば子どもたちに楽しんでインタビューを受けてもらえるのかなど不安は募るばかりでした。しかし実際に公園に行くと“お気に入りの遊び“や”お気に入りの場所”についての質問に答えてくれただけでなく、私たちの活動に興味を持ってくれて地元の魅力を教えてくれました。公園には子どもだけでなく保護者の方もいらしたので、保護者の方にも質問に答えていただき、イベントではそのインタビュー結果を元に今昔比較を行いました。この活動によってさらにたくさんの方のご協力のおかげで多くの世代の方に楽しんでいただけるイベントを作り上げることができたのではないかと感じました。
――そして迎えたイベント当日。手応えはどうだったでしょうか?
市ノ澤侑里さん
イベント当日は1時間前に会場に入り、Zoom配信に向けてセッティングや最終打ち合わせ、リハーサルなどの確認をしました。ずっとこの日の為に準備をしていたイベントがいよいよ始まるのだな、というワクワクとドキドキを思い出します。イベントは1時間という短い時間の中で、参加してくれた人たちをいかに楽しませることができるか、を考えながら進行するのが大変でした。1時間の配信を終え、みんなで「終わった〜!」と喜んだのが印象的です。決して緊張が張り詰めたイベントでは無かったのですが、それぞれが自分の役割に責任を持ち全力に取り組んでいたと実感した瞬間でもあったと思います。
聖心女子大生が選ぶ!「ササハタハツの気になるスポット」
学生のみなさんはロケハンなどイベント準備を通して何度もササハタハツに足を運んでくれました。そこで見つけたもの、出会ったものから「一番印象に残っているササハタハツのスポット」を聞いてみました。
滝森希さん
私が印象に残っているものは「手が届かない自動販売機」です。この自販機はレンガの台の上に設置されていて、身長158cmの私が背伸びして手を伸ばしても購入ボタンが押せませんでした。自販機のそばに取り付けられた棒があるので、それを手すり代わりにしました。なぜわざわざ台の上に置いたのか、全く見当がつきません(笑)。それも含めて面白いなと思いました。
犬飼紗和さん
初めてロケハンに参加させていただいた際に出会ったお店の1つの「バー」と「バーバー」が組み合わさったウエスタン調の外観が特徴的なお店なのですが、バーとバーバーという強烈な組み合わせは人生で初めて出会ったのでとても印象に残っています。あまりのインパクトの強さにお店の名前は忘れてしまったものの、ある程度の場所とお店の外観は覚えているのでお酒が飲める年齢になったらぜひお邪魔したいと思ってます。
市ノ澤侑里さん
今回のイベントで印象に残っているところは、「止まれの多い十字路」です。自転車、歩行者、車、すべての人に向けてどの方向からも止まれの表示があり、こんなにいる?!と面白おかしく思いました。公園やずい道などササハタハツならではの素敵なスポットもありますが、この写真のような何気ない道路にも注目してみると、普段は気が付かない面白い発見があるのだな、と体感しました。
文田秋子さん
私がササハタハツエリアで最も印象に残っている場所は、11月のイベントで紹介させていただいた「本村ずい道」です。このトンネルは今から100年前に作られた、一般のコンクリート製トンネルではない、少し特別なトンネルです。コンクリート製のものと区別するため「ボックスカルバートトンネル」と呼ばれます。トンネル脇の付け柱に施された装飾も時代を感じることのできるものとなっています。今では、トンネルの上が公園にもなっており、100年もの時がたっても変わらず住民に愛されるこのずい道は、本物の「まち遺産」だと感じています。
聖心女子大学生プロデュースによる「まち遺産探検隊」オンラインイベント、気になった方はYouTubeに動画をアップしていますので、ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=P4mi9gxJ_mU&t=192s
「まち遺産探検隊」に参加してみたい!活動について知りたい!など興味を持たれた方は、Facebookページで情報発信をしています。よろしければ「いいね」もお願いいたします。
https://www.facebook.com/sasahatahatsumachiisan