ササハタハツエリア内のお散歩コースを
紹介する【ぶらっとササハタハツ散歩】。
2017年よりスタートした
「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」を通じて
発見された「街の魅力」を紹介する記事で、
散歩で渋谷の魅力を再発見するWEBメディア
『シブヤ散歩新聞』内で2018年に
『ササハタハツ散歩』シリーズとして
掲載されたものです。
取材&掲載から2年が経った今も
変わらずお楽しみいただけるお散歩コースも多数。
ササハタハツ歴の長い方も、そうでない方も、
【ぶらっとササハタハツ散歩】を通じて
エリア内の新たな魅力を見つけていただけたら
うれしいです!
※この記事に掲載されている内容はすべて2018年3月時点のものです。現在は変わっている箇所もあることをご了承ください。
今回お散歩するのは笹塚エリア。その中でも、甲州街道より北側の中野通り沿い。少し歩くと中野区に入る区界のあたりです。
子連れでも楽しく過ごせるようなスポットがたくさんあると聞き、2歳の息子とともにお散歩に出かけてきました。
地域の人が顔を合わせる場所「Trois~とろわ~」
中野通りの渋谷区と中野区とのさかい目あたりからお散歩をスタート。笹塚交差点に向かって南下していきます。
すると間もなく右側にかわいらしいお店が見えてきました。
中に入ると、美味しそうで見た目も可愛いお菓子がたくさん並んでいます。
こちらは、ロシアケーキをメインとした焼菓子のお店「Trois~とろわ~」です。ロシアケーキは二度焼きが特徴のサクサク感のある焼菓子です。
「Trois~とろわ~」はロシアケーキを中心とした焼菓子の製造・販売を行う中山製菓の工場直営店。中山製菓は1952年に笹塚に創業した古くからササハタハツにある企業なんです。現在、工場は栃木県佐野市にありますが、本社は変わらず笹塚に。「お菓子作りを通して地域に貢献する」ということを目標に掲げているそうです。
工場直売ならではで、お菓子はどれもリーズナブル! 手土産などにもぴったりです。
イートインのスペースもあり、トーストやハンバーガープレート、ロシアケーキの新しい食べ方を提案したパフェなどがいただけます。
イートインでいただける紅茶やコーヒーは、「地域社会に貢献したい」という想いに賛同したブランドのもので、コーヒーは軽井沢で人気の「ミカドコーヒー」。紅茶は紅茶職人村松二六氏による静岡県・丸子の「丸子紅茶 紅富貴(べにふうき)」。この紅茶が喫茶で飲めるのは、ここ「Trois~とろわ~」が都内初なのだそうです。
お店の中には、地域の方に向けたワークショップのお知らせが。
「Trois~とろわ~」では、このお店が地域の人が集まって顔を合わせる場所となるように、このようなワークショップを企画しているそうです。
朝9時からオープンしているというのもありがたいですし、駐輪場があるのもうれしいポイントですね。
私も焼菓子をたくさん買い込んでしまいました。
※「Trois~とろわ~」は栃木県佐野市にある工場が、2019年に発生した台風19号の影響で操業を停止しているため休業中です。2020年秋ごろに営業再開の予定とのことです。
さて、お散歩再開です。
子どもがのびのび過ごせる渋谷区内唯一の「こども図書館」
「Trois~とろわ~」を出て中野通りに戻り、ほんの少し南に歩いたところにあるのが「笹塚こども図書館」です。「中幡・笹塚子育て支援センター」と同じ建物の中にあり、小さなお子さんを連れた方が多く訪れる場所になっています。
子どもに特化した図書館ということで、靴を脱いで入ります。赤ちゃんと一緒でも安心ですね。
本があるのは2階です。階段で2階に上がると3つのコンセプトに分かれたお部屋が。
まずは「もりのへや」。ここは乳幼児向けのお部屋でカーペット敷き。スリッパも脱いで入ります。
中に入ることができる小さなお家もありました。これは子どもに人気がありそう!
次のお部屋は「きょうりゅうのへや」。
こちらはお勉強などもできそうな、少し落ち着いた雰囲気のお部屋になっています。
最後は「ほしのへや」です。なぜ「ほし」なのかというと……。
電気を消すと星が浮かびあがるのです。
このお部屋では「おはなし会」などのイベントが行われています。ここにもカーペット敷きのスペースがあり、パパママ向けの雑誌などもおいてあります。
ここは図書館にきたパパママどうしが交流できる情報交換の場にもなっているようです。子どもの年代に合わせて選定された「しぶや おすすめの本50」やおすすめの絵本もあるので何を読めばいいかわからないときは参考にできそうです。
最近は活字離れなども心配されますが、お話をうかがった渋谷区立笹塚こども図書館館長によれば「本を読むことは勉強の基礎となる読解力をつけることに役立つ」とのこと。
想像力や集中力を育てるにも本を読むことは大事ですね。図書館を積極的に利用することで、子どもにもたくさんの本と出会える機会が与えられたらと思いました。
古くから笹塚の地を見守る「清岸寺」
図書館を出て中野通りをさらに南下していくと、お寺があります。
参道を上っていくと、本堂や観音像の並ぶ境内が目の前に広がります。今回、ご住職とご住職のお母様にお話を聞くことができました。
こちらの清岸寺の建立は1640年(寛永17年)。元々は参宮橋南側にあったのだそうです。1909年(明治42年)に現在地にあったお寺を吸収合併し、「法界山清岸寺」と改称されました。
境内の中にある史跡のうち、いくつかをご紹介します。
藍とは籠のことです。魚の入った籠を持った観音様で、渋谷区ではここ清岸寺にしかないそうです。
そして、これは本堂にかかっている大きなお数珠。
大勢で円になり大きなお数珠を回しお念仏を唱える「百万遍数珠繰り」という作法があります。清岸寺の大念珠は上に滑車がついているので、ひとりでも「百万遍数珠繰り」ができるというもの。「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えながら念珠を繰ると、心が清らかになっていくのだそうです。
そして、こちらが渋谷区指定文化財の本堂です。
この本堂、以前の本堂が東京大空襲で焼失してしまった後、1951年(昭和26年)に千葉の岩井町で個人のお宅として使われていたものを移築したのだそうです。
渋谷区登録文化財にもなっている五輪塔。五輪塔は平安時代末からある墓石。渋谷区内にもいくつかあるものですが、清岸寺にあるものは、はっきりした制作年代は不明なものの、おそらく中世(室町時代)のものなのだとか。これは貴重ですね。
こちらの「酒呑地蔵」です。お酒が飲めるようにお祈りするのかと思いきや、どちらかというとお酒を飲み過ぎないようにお祈りするそうです。
清岸寺では年に3回お祭りも開催されます。2月に行われた「初午(はつうま)」では消防車にも来てもらい、お子さんが運転席に乗れたり消防服を着たりすることができ、とても賑わったそうです。
一見さんもウエルカム!おシャレな自転車屋さん「BLUE LUG(ブルーラグ)」
清岸寺で歴史に触れ、息子は境内を走り回って運動もできたところで中野通りに戻ります。
またほんの少し笹塚交差点方面に歩いたところに、おシャレな雰囲気を放つ自転車屋さんがありました。
普段、電動アシスト子乗せ自転車を愛用している私には場違いかもしれないと思いつつ、店内をのぞかせてもらいました。
幡ヶ谷以外にも代々木公園、世田谷の上馬にお店がある「BLUE LUG」。ここは出来上がった自転車を売っているのではなく、自分の好みでパーツを組み立て、自分だけの一台を作るお店なんです。
「BLUE LUG」は自転車屋さんだけでなく、幡ヶ谷の甲州街道沿いにカフェ・バー「LUG HATAGAYA」もあります。
「どうして、自転車屋さんがカフェを?」と思い、聞いてみました。
「一から自転車を組み立てるために店員とお客さんとして会うだけではなく、ご飯やお酒を楽しみながら会うことでお客さんの好みが深くわかり、よりお客さんの求めるものに答えられるようになる」という思いからカフェも始められたそうです。
「やるからにはみんな楽しく!」というモットーで、子どもウエルカム、ペットもウエルカムなカフェなのだそうです。
「みんな楽しく!」というモットーはこのお店でもいろいろなところに散りばめられています。
楽しい気分でいっぱいにさせてもらった「BLUE LUG HATAGAYA」を出て少し南下すれば、もう甲州街道です。本日のお散歩はこれにておしまい。
息子もみなさんに優しくしてもらい楽しんでくれたようなので、どの場所もまた訪れたいと思いました。子連れでのお散歩に役立てていただければありがたいです。
googleマップの仕様上、記事内のお散歩ルートと違う箇所もございます。
詳細はルート上のアルファベットマークをクリック(またはタップ)し、説明欄をご覧ください
ササハタハツには子どもとのお散歩が
楽しめるコースやスポットもまだまだあります。
こちらでご紹介する以外の記事が気になった方は
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「ササハタハツ散歩」と検索してみてください。